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したがって、土地の規模を零細化する税制がなくなれば、土地所有は大規模化し本来の効率性を回復するだろうそれでは、税制のどのような措置が土地所有の小規模化を促進するのだろうか。代表的な土地税制について調べてみよう。固定資産税の効まず固定資産税には、分配の公平性という観点から、小規模な宅地所有者に対して、その税金を軽減するという措置が導入されている。
これは小規模宅地の軽課措置と呼ばれているものである何度かの地価の急激な上昇のために、宅地保有者の負担が過重になってしまうという過去、住宅用地に対する課税を切り下げる措置が講じられてきた理由から、一九七三年に地価が高騰し、それにともなって固定資産評価額も上昇した結果、それに税率をかけて得られる固定資産税額も上昇した。

多摩グリーン賞それでは一般の宅地保有者が、しかし、固定資産税を払いきれなくなってしまうという政治的理由から、土地の評価額を11分の1とする措置が取られた。つまり、本来の税金の半額になったのである。さらにその措置が拡大され、現在では111分の1の軽課措置となっている。すなわち、住宅地以外ならば払宅地の固定資産税額は、わなければならなかった金額の111分の1に減額されている。さらに、日常生活に最低限必要とされる一世帯当たりの基本的な土地の広さを二00㎡として、それ以下の規模の宅地に対して評価額を六分の一に減額するという措置が導入された。
二00㎡が妥当かどうかという問題が残っているが、このような措置のために、土地は零細化して保有したほうが有利になることはいうまでもない。これによって、宅地は大規模に売るよりも小規模にして売却したほうが売却総額は上昇する。この結果、郊外の分譲地の平均的な面積は一00㎡以下に抑えられている。切売りで譲渡所得税を節約しかし、固定資産税のこの効果については、むしろ、それほど大きいとは思えない。
より大きい効果を及ぼしているのは、譲渡所得税や相続税であろう。土地を譲渡した際に課される税金である。
譲渡所得税は、土地譲渡所得税では、土地の保有期間が短期と長期とで異なる税率が適用されており、控除額も異なっている。

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短期的な保有に関しては、一般に高い税率が適用されるとともに、控除額も低い金額しか認められていないこれに対して、長期の譲渡所得に対しては控除額も大きく、低い税率が適用されている。長期の譲渡所得については、現在、六000万円以下の部分については二〇%住民税六%の税率が適用されている。
六000万円を超える部分については二五%住民税七·五%これは一般の所得とは分離して課税される分離課税制度であり、六000万円以下の部分と六000万円を超える部分については異なる税率が適用される累進構造になっている。この累進構造を強めているのが、控除額である。宅地を譲渡した場合に得られる譲渡所得か

ら一定の金額が控除されて、その超過額について税金が課せられる。
現在では、最高五000万円までこの控除が認められている。したがって、譲渡所得が最大五000万円までは、譲渡所得は支払わなくてすむ。
過去に赠与はありましたか?この累進構造は、土地売却行動にどのような影響をもたらすであろうか。すぐわかるようにこれは土地の切売りを促進する。土地を譲渡する際に、土地を小規模に分割して売却することによって、譲渡所得を五000万円以下にしようという強い誘引が働く。その結果、規模の大零細な土地に切売りされて供給されていく。そうすれば、きな土地も、譲渡所得税の納税額を大きく節約することができるからである農地が宅地に転用されるとき、相続税の支払いのために土地を切売りするという事実がしばしば観察される。
土地の譲渡所得を一定額以下にすれば、税金を節約できるのが譲渡所得税の累進構造である。基本的に法定相続分を基本として課税額が決定されるために、相続税は、土地の所有規模を零細化させるかどうかについては明らかではない。しかし、流動性制約や借入制約が存在する土地所有の規模を小さくすると考えられる。と、また、譲渡税との相乗効果で土地所有を小規模化する可能性がある。
ここで簡単に、日本の相続税制について説明しておこう。
日本の相続税制は、実際に相続を受ける人数や金額によって税額が決まるのではなくて、法定相続人の数で税額が決定される。いま、配偶者と子ども二人からなる相続人の場合を考えてみよう。現在、基礎控除が五000万円認められている。さらに、相続人1人当たりについて1000万円の控除額が認められる。したがって、配偶者と子どもが二人の場合には、五000万円+三000万円の控除が認められることになる。
これは、配偶者だけですべての財産を相続する場合にも、この控除が認められる。
逆に、配偶者が相続放棄して、子ども二人で遺産を相続する場合にも、同様である実際にどのように相続されるかとは独立に、課税額は決定される。つまり、日本の相続税制では、このように控除や税額は民法上認められた相続権利分に基づいて計算配偶者は遺産総額の二分の一、される。また子どもたちには残りの11分の1を均等に分割して相続できる権利があるとされている。この法定相続額に基づいて、課税額が決定される。

贈与する総額

すなわち、民法に定められる相続割合にしたがって相続した場合、各個人がどれだけの遺産総額が相続できるかが決定され、それを税率表に適用して、各人が納める税額が決定されるそれらを合計することによって、相続人全体で支払わなければならない相続税額が求められる法定相続分に対する課税額と同額の税額控除が認められている。
ここで配偶者には、すなわち配偶者の税額をゼロにすることができる配偶者は、法定相続分まで相続するかぎり、誰もが金融資産を持っているわけではないこの相続税額は誰が支払ってもよい。相続財産を相続人間で分割する方法としては、金融資産の保有が十分な場合や、借入れが容易な世帯では、が土地で、長男(女)次兄や次男·次女が金融資産という方法が一般的である。このとき、しかし、土地の分割は生じない。

相続財産に金融資産が十分に含まれていなかったり、借入制約下にある相続人の場合には、土地の切売リによって、相続税を捻出しなければならない。あるいは、土地が分割して相続される相続財産をめぐるトラブルの原因の一つは、土地の利用が規模の経済性を持つことから生じていると考えられる。相続人の間で土地を細かく分割してしまうと、土地の利用が制約され

資産価値が大幅に減じられてしまう。
これを回避するためには、土地を分割せずに相続するとができればよい。次男や次女に相続を放棄してもらうか、金融資産で分配することができれ資産価値を保全できる。
ば、しかし、次男や次女はそんなに簡単に相続を放棄しないだろう。といっても、十分な金融資産があるとも限らない。銀行からの借入れもそれほど容易ではない。

土地のリースに人生を救われた骨肉の争いの原因こがひそんでいる。相続上は土地で資産を持つことが有利であるが、兄弟(姉妹)間の利害調整のための金融資産も必要なのである。この意味で、流動性制約や借入制約がある場合には、相続税は土地を分割させたり、切売りさせる効果を持っている。相続税と譲渡所得税の相乗効さらに、現在の制度は譲渡所得税とセットになっているため、土地の所有規模を零細化する可能性が高い。
一九九三年以降、相続税の支払いのために土地を売却した場合には、支払った相続税額を土地の譲渡所得から控除できるようになった。したがって、相続税額と等しいだけ土地譲渡所得が生じるように土地を売れば、譲渡所得税を免れることができる。つまり、土地を切売りして相続税を支払うことが有利になる。
大規模な土地を所有している人たちが土地を相続する際には、ちょうど相続税を支払えるだけ譲渡所得が出るよう切売りするのが合理的なこれは、節税手段となる。土地所有を零細化させる原因の一つである。土地は流動資産と同じ働きをするといえる。

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