保証協会

長男に譲る

他方、大きな家を必要としている若年世帯がいるにもかかわらず、その人たちに土地や住宅が行きわたらないといったミスマッチが発生している。定期借家権を用いれば、賃貸借市場のこのミスマッチは解消し、高齢者が安心して自分たちの広い家を他人に貸すことができるようになる。また、高齢者向けの介護サービス付きの借家も供給されるだろう。資産市場にもミスマッチが

もう一つのミスマッチは、資産市場に存在している。土地や住宅の資産市場での売買を阻害土地譲渡所得税だと考えられる。
しているのは、土地や住宅を持っている人にとって、これを手っ取り早く現金化する方法は、その土地や住宅を売ってしまうことである。しかし売却するときには、譲渡所得税を支払わなければならな実現されたキャピタルゲインに対して課税される。
かりにキャピ譲渡所得税は、このため、タルゲインが発生していても、土地や住宅を売却しないかぎり、税金を払う必要はない。売却を延期すれば、今年までに発生しているキャピタルゲインについては、税金の利子費用分だけ税金を節約することができる。
売却を引き延ばすことによって、たとえば1年間、土地の所有者は節税利益を得ることができる先送りによる利いま次のような例を考えてみよう。個人の譲渡所得については、税率は二00一年現在11今年、ある土地を売ると五000万円の譲渡所得が実現すると考えてみよう。六%である。
居が認められて住用財産については三000万円の所得控除収用される場合は五000万円いるから、この譲渡所得のうちの一1000万円に対して、二六%の税率で課税される。
これに対して、一年後に土地を売却すると考えてみよう。この一年間に土地の値上がりや値ドがりはなかったものとしよう。どのようなことが起こるだろうかすると、地価の変化がないから、一年後に収める税額も今年売却したならば支払わなければならない税額に等しい。

このとき五110万円二000万円×0.二六を今年納めるか、来年まで土地の売却を延期して来年五110万円納めるかを比較すると、来年納めたほうが有利である。
相続税はここまでかかりません同じ金額ならば支払いは遅いほうが利子分を節約できるので有利である。つまり五二〇万円にかかる利子分だけ、1年間土地の売却を延期することによって利益を得ることができる。これが、譲渡所得税によって発生する納税延期の利益である。このような納税延期の利益のそれが存在しない場合よりも土地の譲渡が将来に延期される。ために、つまり、土地譲渡所得税は土地の売却を延期させる効果を持っている。これを土地譲渡所得税の凍結効果という。
いったん購入された土地が、その土地所有者のもとで凍結されてしまうことを意味する。逆にいえば、土地を購入する人にとって、この所有者か市場地価よりも高い金額を払わなければ、ら土地を買うことができないことを意味している。納税延期の利益があるために、土地所有者に土地を売る気にさせるには、もっとたくさんのお金を積まなければ、買い手に土地はわたらないことになる。
このような節税利益の分だけその土地の売却価格は高くならざるをえない。土地の有効利用が阻害される何が起こるだろうか。
税制が存在しないとその結果、土地の有効利用を促進するためには、きに土地の需要価格が最も高い人に土地が配分されなければならない。

任意後見人

土地の有効利用をする人、すなわち最も効率的な土地利用を実現できる人は、土地の需要価格が最も高い人であるいちばん高い値段をつけた人のもとにその資源がわたることが、市場制度のもとでは、効率的な資源配分を達成するために必要である。土地についても、同じことがいえる。有効な土地利用方法を持っていない投資家は、土地に対する需要価格が低い投資家である。これに対してある土地の有効利用のノウハウを持っている人にとって、その土地の需要価格は高い。土地が需要価格の低い人から需要価格の高い人に売却されることによって、土地の有効利用が実現さ

投機家はみずからが土地利用にかかわる必要はない。有能な投機投機家も同じ働きをする。
将来の土地利用方法の出現や将来土地を有効に利用する人々が出現するかどうかについ家は、自分はその土地の利用を知らなくても、て、将来の可能性を正確的確に予想できる人である。に予想しさえすればよい。将来の有効利用の可能性にかけて、高い価格を土地につけるかもしれない。
投機家は、したこのような投機家たちに土地がわたることも、まったくむだなことではない。がって、むしろ投機家が正しい予想を持つかぎり、その投機家は将来の開発者の代理人として機能している。バブルという現象の問題点は、予想を修正するメカニズムが存在しない点にある。
この問題がバブルのクラッシュという事態でしか、予想を修正できない点が先送りされることによって、しかし、これは土地だけに固有の問題点ではなく、資産市場全般に起こりうる現問題である。象である買い手のほうが売り手の持っている需要価格より土地譲渡所得税が存在するために、さて、土地は売却されなくなってしまう。
も凍結効果の分だけ高い価格を提示しなければ、その結果その人に土地がわたらな効率的な土地利用ノウハウを持っている投資家や開発業者がいても、いかもしれない。
これがもう一つのミスマッチの原因であるつまり、その土地を使用したならばより高い収益を得ると考えている投資家がいるにもかかその人たちに土地は売却されず、わらず、依然として土地利用の効率性の低い人たちが土地をこれが、土地住宅の資産市場を通じて効率的な資源配分を保有し続けるという事態が生じる。実現する際の障害となっている。市街化区域内に残る農譲渡所得税だけではない。
このような資産市場での売却阻害効果をもたらしているのは、相相続税が市街化区域内農地に及ぼす効果を見てみその一つの原因である。それでは、続税も、よう市街化区域と市街化調整区域に分かれている。市街化区域とは積極的に市都市計画区域は、市街化を抑制し、自然環境を保全すべき地域がある街化を進める地域である。
これに対して、電気、これが市街化調整区域である。市街化のためには、道路、上下水道といった公共サービ開発を抑制することによって、スが必要である。市街化調整区域では、公的なセクターによる公共投資のための資金を節約することができる。

保証協会インフラ整備、市街化区域内に依然として多くの農地が残されている点である日本の都市問題の一つは、生産性の低い農地が残っているのはなぜだろうか。東京のように地価の高いところで、どうし本来ならば、農地は農家より高い価格て、このようなミスマッチが生じているのであろうか。宅地に転用されていくのが普通である。を提示する開発業者に売却されることによって、都市農業から生み出される生産物よりも住宅やオフィスのほうが高い価値を持つにもかかわでは、らず、なぜそのようなことが起こらないのだろうか。市街化区域内の農地に対する優遇税制にある。
市街化区域内農地に対してはこの原因は、数年前までは長期営農農地と呼ばれたものでさまざまな税制上の優遇措置が与えられている。現在は生産緑地制度と呼ばれている制度がある。
これは将来にわたって長期間農業を継続しよその農業意思を尊重し、農地の保有税、相続税を軽減しようという意思のある農家に対して、うというものである原因は相続税制に

長期営農制度および生産緑地制度で特筆すベき点は、農地に対する相続税が無視しうるほど低い額に抑えられている点である。
一九七五年以後、農地の相続税評価は、当該土地の農業収入をもとに評価されてきた。

名義預金

生産農業所得統計によれば、農林水産省一九九五年東京近郊における1㎡当たりの農これを、年率五%の利子率で現在価値を計算すると三四六〇円業収入は一七三円である。(三四六0円×0.0五”七111円:年々一七三円を利子として生む資産の価値を資産の現在価値になる。この金額が相続税の課税標準となる。という)農地の平均地価は約五0万円であるから、ということになる。
農地の評価相続税は時価の0.七%-三六四0円¥五0万円したがって、農地は事実上、相続税の支払いを免除されたことになる。いまだに全国の市街化区域内に1割程度の農地が存在しているのは驚きであるが、それはこのような相続税制によると,ろが大きい。
市街化区域内農地を宅地として売却するときには、転用にコストがほとんどかからないので宅地価格とほぼ同じ価格で売却することができる。農地を宅地にするときに、ほとんど手を加えずにすむ。
生産緑地制度のもとでは、土地を農地として相続するかぎり、農家は相続税をほとんど支払わずにすむことができる。したがって、農家にとっては、このような制度を利用しない方法はない市街化区域内の農家にとっては、農業を続けるだけでなく、土地資産を保全する意味でも生産緑地制度を用いて、相続税をスキップすることはきわめて合理的である。この制度のもとでは、相続税を払わずに、価値の高い土地を保有し続けることができる。

この相続税の軽減措置農地を保有し続けることが最も合理的な資産保有のために、市街化区域内の農家にとっては、方法である。したがって、農家は農業の意思を表明することによって、相続税を回避し、そして土地を保有し続けることができる。
その結果、生産緑地制度長期営農農地制度のために本来ならば転用されたはずの農地が、宅地に転用されないという事態を発生させている。
これが市街化区域内に依然として多くの農地が残されている基本的な原因である相続税の節税効果はどれくらいか筆者たちは、いま述べた、農家に対する節税額がどの程度の金額になるかを次のような仮定のもとで計算してみた。
親の家を片づけるその計算仮定と結果を簡単に紹介しておこう。いかに、農地に対する相続税制が宅地価格を高めているかがわかる土地保有の節税効果は、個人の所得、保有する土地面積などによって大幅に異なるので、典型例として、東京近郊に大規模な土地を保有する、市街化区域内の農家世帯五000㎡の農地を所有と非農家世帯一000㎡の宅地を所有を想定しよう。
この家計は当初いっさいの金融資産を保有していないものとする。次のような単純でわかりやすい相続シナリオを描いてみた家族:父親、母親、子二人息子と娘二五年後に死亡。各世代の父親は、自身の父親から相続した後、父親死亡時に遺産は母親と二人の子どもに相続される。

1年以内に母親が死亡、母親の遺産も二人の子どもが相続するおよびすべての遺産は事実上息子が相のどちらの場合も、娘は法定相続分を放棄、続して、次世代の父親となる。つまり、二五年ごとに相続税が発生すると考える現世帯は初期時点で限界的に土地100㎡を売却するかどうか考えている。

Tagged as: ,