第2位:有価証券

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倒産しても、自らの経営の失敗を認めずに、銀行の責任にしたある有名デパートの経営者が一つの例である。不良債権が累積した銀行の預金者は、委託人の一人であるが、不良債権の発生に対していかに無力であったかを考えれば、この情報の非対称性が深刻な問題を引き起こすことがわかる。そのときに発生する社会的な費用をエージェンシー·コストといい、経営努力を怠ったために発生する損失や、それを防ぐために講じた制度設計のコストがこれに含まれるあらゆる契約について生じる可能性がある。
このようなエージェンシー·コストは、たとえば、経営者と労働者、消費者と企業、保険契約者と保険会社間にも発生する。経営者は労働者に最大の貢献をしてもらいたいと考えているが、労働者はそのような貢献よりも自分の利益を優先するはずであり、その貢献度を客観的に決める方法がないのが現実である。
これも労働者のほうが自分の労働や貢献について、経営者よりも多くの情報を有しているからである消費者は企業の生産物が安全であることを望んでいる。しかし、その生産物の品質を安全な水準に維持するには、多大なコストが必要である。
商品が安全でなくても、企業はそれを他の原因によるものと責任逃れをすることも、保険契約者は事故が起こっ場合によってはできる。

ても、それを他者のせいにするかもしれない。保険会社は契約者の注意努力を最大限に維持したいが、それには多くのコストがかかる。これらの契約によって発生するコストを、エージェンシー·コストという医師と患者にもエージェンシー·コストは発生する。患者は最も安い費用で病気を治してもらいたいが、医者は異なる目的を持っているかもしれない。安上がりでない方法や、保険点数の高い方法が選択されるかもしれない。
多くの誤診や医療ミスが報告されているのは、患者の目的とは異なる目的を医師が持っていることを示唆している。家主はプリンシパル、借家人はエージェント委託人は家主で、さて、この章の例では、代理人は借家人である。家主は自分の住宅を借家人に委託して、大切に使ってもらうように契約を結びたいのだが、先ほど述べたような障害のために、十分な契約が結べない。その結果、さまざまな損失やコストが発生する。

これらをエージェンシー·コストと呼ぶ表1-1

コストと呼ぶかというと、賃貸借契約には、必ず委託人プリンシパルと代理人

相続税はここまでかかりません労働者、主と経営者消費者とここで、コストについて、もう少し説明しよう。エージェンシー·たとえば、企業経営についても情報の非対称性が存在する。この場合は、企業の所有者(株主)が委託人であり、企業の経営者が代理人となる。株主は、みずから委託した資金や資産が効率的に利用されて、最大の利潤が得られることを目的としている。これに対して、代理人である経営者は株主のこのような要請よりも、みずからの欲求を満たすことを優先する可能性がある。
みずからの地位が安泰であれば、利益を上げるよりも自分の地位や待遇を改善するほうが重要だと考える経営者がいるかもしれない。このとき、利潤が低下しても、それは経営努力を怠ったからではなく、企業の外的な要因であったと主張することができる。これができ経営者のほうが株主よりも経営についての多くの情報を持っているからであるるのは代理人は、このような情報格差をつねに利用することができる。

倒産しても、自らの経営の失敗を認めずに、銀行の責任にしたある有名デパートの経営者が一つの例である。不良債権が累積した銀行の預金者は、委託人の一人であるが、不良債権の発生に対していかに無力であったかを考えれば、この情報の非対称性が深刻な問題を引き起こすことがわかる。そのときに発生する社会的な費用をエージェンシー·コストといい、経営努力を怠ったために発生する損失や、それを防ぐために講じた制度設計のコストがこれに含まれるあらゆる契約について生じる可能性がある。
このようなエージェンシー·コストは、たとえば、経営者と労働者、消費者と企業、保険契約者と保険会社間にも発生する。経営者は労働者に最大の貢献をしてもらいたいと考えているが、労働者はそのような貢献よりも自分の利益を優先するはずであり、その貢献度を客観的に決める方法がないのが現実である。
これも労働者のほうが自分の労働や貢献について、経営者よりも多くの情報を有しているからである消費者は企業の生産物が安全であることを望んでいる。しかし、その生産物の品質を安全な水準に維持するには、多大なコストが必要である。
商品が安全でなくても、企業はそれを他の原因によるものと責任逃れをすることも、保険契約者は事故が起こっ場合によってはできる。ても、それを他者のせいにするかもしれない。保険会社は契約者の注意努力を最大限に維持したいが、それには多くのコストがかかる。これらの契約によって発生するコストを、エージェンシー·コストという医師と患者にもエージェンシー·コストは発生する。
患者は最も安い費用で病気を治してもらいたいが、医者は異なる目的を持っているかもしれない。安上がりでない方法や、保険点数の高い方法が選択されるかもしれない。
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多くの誤診や医療ミスが報告されているのは、患者の目的とは異なる目的を医師が持っていることを示唆している。家主はプリンシパル、借家人はエージェント委託人は家主で、さて、この章の例では、代理人は借家人である。家主は自分の住宅を借家人に委託して、大切に使ってもらうように契約を結びたいのだが、先ほど述べたような障害のために、十分な契約が結べない。その結果、さまざまな損失やコストが発生する。
これらをエージェンシー·コストと呼ぶ表1-1

失うものが多すぎて、華な家を他人に貸すのは危険すぎるのである。高いものや品質のよいものを他人に貸したくないのと同じ原理である。引費用がかかる持家の場合-次に、持家を買う場合のコストについて考えてみよう。
持家を建設、そして購入する場合には、一定の取引費用がかかる。住宅を売買するときには、家を借りる際にはない費用が発生する。売買一回当たりについて一定の固定費用が発生する。
たとえば、住宅を建設するには、建設会社との契約、発注、設計などについて固定的な費用が発生するそしてこの固定的な費用は一回かぎりのものであるために、規模(㎡)当たりの費用は低下するという性質を持っている。

つまり、このような契約や売買にともなう取引費用の固定費的規模の大きな住宅のほうが、な性格のために、このような平均取引費用は安くなると考えられる。これが、相対的に住宅の規模が大きなほど有利な原因である。表1-3にこの結果が要約されているもちろんこのような契約にともなう取引費用が発生するが、借家契約にも、持家にくらべればはるかに低いと考えられる。借家契約については、前述のように、他人に貸すために発生するエージェンシー·コストが発生する。他方、持家の場合には、1回かぎりであるが、固定費用を払わなければならない。
固定費用は規模が大きくなるにつれて、いうまでもなくその平均費用は低下する。逆にエージェンシー·コストは借家の規模が大きくなるにつれて逓増すると考えられる。やはり小さな借家·大きな持家は合理的表1-4は、表1-2と表1-3を合成したものである。
エージェンシー·コストと取引費用を合計すると、小さな借家大きな持家が合理的なことがわかる。
これが持家の規模とを相対的に大きくし、借家の規模を小さくする原因である

いい換えると、規模の大きな住宅は借家として使うと不利であり、持家として使うと合理的である。それは、前述のように、大きな住宅を借家として使うためにはかなり大きなエージェンシー·コストを負担しなければならないからである。他方、規模の大きな住宅を持家として利用すると、規模当たりでみる平均固定費用はかなり節約できる。
逆に規模の小さな家についてはどうであろうか。規模の小さな家については、人に貸したほうが有利である。
第2位:有価証券それを持家にすると、規模当たりの平均固定費用が高いために規模の利益が実現できない。これに対して、それを借家にすると、エージェンシー·コストを相対的に低くできるからである。ワンルームタイプのマンションは、自分で住むよりも他人に賃貸したほうが有利なのである。持家は規模が相対的に大きく、借家は相対的に規模が小さいことが説明された。以上で、こどの国でも観察される。税制の存在は仮定しなかった。
のような事実は、右の説明では、諸外国と日本の間では税制が異なっているが、ここでは、税制の有無とは関係なく、持家の規模は大きく借家の規模は小さいという事実が、取引費用とエージェンシー·コストという概念を用いて説明されたのである。が持家を選ぶのかが借家をそれではなぜ、所得水準の低い人々は借家を選び、所得水準の高い人々は持家を選ぶのだろこの問題は簡単である。
所得水準の低い人たちは住宅サービスに対する支出額も相対的に節約しなければならない。これに対して、所得水準の高い人たちは住宅サービスの支出額も大き住宅サービスが上級財(所得水準の上昇とともに需要が増加する財)くなる。であることを考えれば、これはきわめて自然である。
所得水準が高くなるにつれて、より大きな住宅を選好するようになる。すでに述べたように市場には小さな規模の借家と大きな規模の持家しか存在しなければ、所得水準の高い人たちは持家を選び、所得水準の低い人たちは借家を選ぶことになる。繰り返しになるが、持家を規模の小さな住宅で保有することには大きなコストがともなう。

逆に、大きな規模の住宅を賃貸契約で供給するのは、これもまた引き合わない。

その結果、市場では規模の大きな持家と規模の小さな借家しか存在しないという住み分けが生じるれらの選択肢のなかから、所得水準の高い人たちは大きな住宅を選ぶ結果、持家を選択し、所借家を選択するのが合理的である。これで、得水準の低い人たちは小さな住宅を選ぶ結果、持家と借家がどのような要因によって選ばれるかが明らかになった。
の大きな賃貸住宅が存在するのかなもちろん、規模の大きな賃貸住宅や規模の小さな持家という、これまでの議論では説明できない例外も、現実には存在する。

たとえば、東京の六本木や麻布には外国人向けの豪華で大きな借家が数多く供給されている。これはなぜだろうか。外国人向けということから、彼らが短期の滞在者である点と高額所得者である点を考慮すれこの現象は説明できる。日本での滞在期間が短く、転出の可能性が高いというば、近い将来、ことは、持家を売買することの取引費用が高くなることを意味している。前述した取引費用は時間当たりの平均費用で考えなければならない。長期契約者の取引費用は低下する。
前述のように、彼らにとって借家契約のほうが取引費用ははるかに安くてすむ。これが、彼らが借家に住む理由であるさらに、彼らの所得水準は一般的にきわめて高い。この結果、規模の大きな住宅サービスを需要するのが合理的である。
家主にとっても高い家賃を支払ってもらえれば、何の問題もないしたがって、これらの二つの点を考えると、例外的であるが規模の大きな借家も供給される,とになるこれに対して、規模の小さな持家が存在するのは、いま述べたのとは正反対の理由からである。

空家が蝕む日本

賃貸管理業務

所得水準が低く、かつ移転する可能性の低い人たちにとっては、持家の転売の可能性が低い。借家の場合よりも安いかもしれない。したがって、持家の取引費用は、このような人たちは、所得水準が低いにもかかわらず、小規模な持家を選択することになる利子率の低下は持家率を上昇させるかそれでは最後に、次のような問題を考えてみよう。
地価上昇率や利子率の変化は、持家や借家の選択にどのような影響を及ぽすのであろうか最初に説明したように、取引費用やエージェンシー·コストという費用の存在を前提にしなこれらはまったく影響を及ぼさなかった。しかし、い従来の議論のもとでは、エージェンコストや取引費用を前提にすると、持家は規模が大きくなり、借家は相対的に規模が小シー·さくなることが確認された。
この事実を踏まえると、利子率の変化や、予想地価上昇率の変化持家と借家に対して異なる影響を及ぽすと考えられる。は、いま、利子率が下がった場合を考えてみよう。
利子率の低下は、規模の大きな住宅”持家規模の小さな住宅1借家に対して異なる影響を及ぼす。当然ながら、規模の大きな住宅とのほうがその効果は大きくなる。つまり金利が下がった分だけ、規模の大きな住宅持家のコストは大きく低下する。

なぜなら、規模の大きな住宅1持家のほうが必要な資金持家額が大きいからであるしたがって、利子率の変化が所得水準の高い人々に及ぼす影響は、所得水準の低い人々に対なぜなら規模の大きな住宅を選好する人たちは、するよりも大きいものである。所得水準の高い人たちだからである所得水準の高い人たちには大きな所得効果が及び、その結果、逆に所得水準の低いすなわ

ち小さい住宅しか需要しない人たちには、その恩恵は小さくなる。つまり、利子率が下がることによって、より大きな効果が及大きな家を需要する人-所得水準の高い人にとっては、ぶ。
この意味で所得水準の高い人のほうが、その所得効果は大きくなる。
金利の低下によって借家住まいの人たちも利益を受けることは確かである。しかし、その程度は持家世帯の人たちよりも小さい。なぜなら、金利の低下によって家賃も低下するが、借家は持家よりも規模が小さいために、家賃の総支払額の低下幅は、持家コストの低下分よりも小さいからである。所得効果は、規模の大きな住宅を需要している人に大きな影響を及ぽす。的に正しかった素人談同じことが予想地価上昇率の変化についてもいえる。
地価上昇率の予想が高いことは、所得水準の高い、規模の大きな住宅すなわち持家を持っている人ほどより大きな所得効果を受ける。つまりその分だけ所得水準の高い人たちは有利になる。
いま述べた点を考えると、利規模の大きな住宅1持家相対的により大きな影響を及ぼ子率の低下は、の保有者に対して、持家を選ぶほうが借家を選ぶよりも有利になることを意味している。
親の家を片づけるすということは、「金利が低いのだから持家のほうが有利だよ」つまり、といって勧めてくれた友人の答えは正逆に、利子率が高いときには、持家は不利になる。つまり、しいことになる。小さい住宅のほうが金利や地価上昇率の影響を受けにくいのである。利子率が高いときや地価上昇率の低いときには、借家のほうが有利であり、逆に利子率が低いときや地価上昇率が高いときには、持家のほうが有利になる。この意味で素人の議論は、メカニズムについての理解は正しくないにしても、結果的には正しいということになる。
このように多くの人たちが結果的に正しい結論に到達しているのは、素人談議のなかにも、持家と借家の規模の格差が暗黙に認められていたからであろう。価格の変化は、規模の大きな住宅を需要する人に対して、大きな所得効果を生む。このことが私たちの頭のなかにも、暗黙に当然のこととして考えられていたのであろう。

借地借家法って何だろう

二000年三月から、定期借家権が導入された。借地借家法に風穴を開けるものと期待されている。
定期借家権は、借地借家法は正当事由制度の代名詞といわれているが、正確には、家賃統制としての性格も持っている。借地借家法のために、借家の供給は制限されている。
なかでも、広くて大きなファミリー用借家の供給が著しく阻害されている。

これを改め、住宅の賃貸借市場を活性化することを目的として導入されたのが、定期借家権である(定期借家権については、阿部泰隆·野村好弘·福井秀夫編期借家権』信山社、一九九八年を参照)。契約期間の終了時点で家主が契約更新を拒絶することができる借家制度であ定期借家権は、る。しかし、従来の借家制度では、家主は更新拒絶ができなかった。当事由制度とは何か正当事由制度とは、家主が契約の終了時点で借家人との契約更新を拒絶するには、正当な理由がなければならない、というものである。つまり、借家人が契約の更新を求めてきたときに家主がそれを拒否するには、正当な理由が必要である。
借家契約を終わらせるために家主が表明した理由が、このとき裁判所は、正当なものかどうかを判断する。通常は、家主と借家人との経済的な事情が比較され、家主のほうが経済的に裕福であるという点が強調される。もし借家人がこの家を立ち退いたならば、どの程度の経済的な負担を背負うかという点が裁判官に強く訴えられる。
それではどのような理由が正当と認められ、どのような理由が正当ではないとされてきたのだろうか。
正当と認められた判例の多くは、立退きによって借手が負担する損失が金銭によって償うことが可能な場合に適用されている。
贈与契約書の締結